お正月と言えば、お鏡餅がつきもの。 母親は、今回、3ヶ所に飾りたいと。 そもそも、お鏡餅は何故飾るのでしょうか? お鏡餅の由来は何? お鏡餅の飾る場所や数に決まりはある? 今回、お鏡餅を2個しか買っていなかったので、年末に後1個を買いに行ったのですが、お鏡餅はいつからいつまでに飾るのが良いのでしょうか? お鏡餅の意味や飾り方について徹底解説します。
お鏡餅とは?お鏡餅の由来
お鏡餅は、丸い大小の餅を2段ないし3段に重ね、飾りつけをしたものです。
近年、スーパーではセットしたものが販売されており、個別に求める必要がありません。
重ねるお餅も、お餅そのものではなく、お餅の形をしたプラスチック容器を用い、中に個別包装の餅がはいっているのが常です。
お鏡餅の飾り方と意味
今回スーパーで購入したお鏡は以下かのものがセットされていました。
いやゆる縁起物です。 ※地方や家によって飾り方は色々あります。
各々どのような意味があるのでしょうか?
●橙
橙とミカンは異なりますが、ミカンを代用することが多い。 子孫が代々(だいだい=橙)栄えるようにという意味がある。
●お餅
お鏡のお餅は丸いです。 お鏡と呼ぶ通り、この丸いお餅は「鏡」を意味し、「鏡」には神が宿ると信じられたことから神事に用いられる。
●三方(台)
三方には半紙(奉書紙)を敷く。 さらに、四方紅(四方が紅く彩られた和紙)を敷く。 赤と白のものを使うのは魔よけの意味があるという説あり。
●裏白
シダの一種。名前の通り、裏が白い。 後ろが黒でないことから、後ろ暗いところがない=清廉潔白の心を表す。 また、シダの葉の特徴から末永い繁栄を意味する。
●昆布
よろこんぶ=よろこぶ。 喜びが広がる縁起もの。 昆布を「子生」(こぶ)と読んで子宝にも通じる。
●串柿
柿は「嘉来(かき)」に通じる縁起もの。 串に刺した串柿は三種の神器の剣を表し、「橙、鏡餅、串柿」で三種の神器(玉、鏡、剣)を表しているとも言われる。
●扇
扇は末広がりで縁起物です。
●金屏風
家で、お鏡の飾りつけをする時に金屏風は使いませんでしたが、スーパーで販売されているお鏡セットには金屏風がセットされていることがあります。
金屏風はお雛様の飾りつけ等にも使われますが、やはり縁起物の一種です。 おめでたい席には金屏風、お正月=めでたい、ということでしょうか。
お鏡餅の意味
お鏡餅の飾り物について見てきました。 お鏡餅はおせち料理と同様、縁起物であることは分かりました。 そもそも、お鏡餅とは何でしょうか?
お鏡餅は、新年の神様である「年神様」の依り代です。
先に、鏡には神が宿るということに触れましたが、お鏡餅に宿るのは「年神様」です。
「年神様」とは新しい「年」に幸福をもたらしてくれる「神様」のことです。
鏡開きでその神様がやどったお餅をいただくことで、神様のパワーを頂くということです。 これはお供え物に似た考え方です。
また、お鏡餅には「歯固め」という意味も含まれています。
通常、お餅は日を置くと硬くなります。
その硬くなったお餅を頂くには、歯が丈夫でなければできません。
歯が丈夫だと何でも食べられ、長生きできる可能性が大です。
そこで、固く丈夫な歯になるよう願い固いものをいただく行事を「歯固め」とい、鏡開きに硬いお餅を食べたようです。
今や、お鏡餅の餅は、丸い餅をかたどったプラスチック容器であり、中の餅は生では硬いですが、焼いたりして柔らかくしてから食べますので、本来の「歯固め」の風習はなくなっていますね。
お鏡餅の飾り方:飾る場所
お鏡餅を飾る場所に決まりはあるのでしょうか? そもそも、お鏡餅は「年神様」が宿る場所です。
床の間がベスト
お鏡餅を飾る場所の基本は、①床の間、②小さめのものを神棚や仏壇。
床の間が無い場合はリビング
床の間や神棚、仏壇がないことも多いかと思います。 その場合、リビングのように家族が集まる場所がオススメです。
その他の飾る場所
この他、台所、書斎、子ども部屋など、年神様に来ていただきたい大事な場所にお供えします。
お鏡餅を飾る場所について調べたところ、「玄関」というものもありました。「年神様」を迎えると言う意味では、「玄関」というのも納得できます。
お鏡餅を飾る方角
あと、お鏡餅を飾る方角についても触れた記事があります。 「供える方角は、その年の恵方、または南向き、または東向きが良いと言われています。」
但し、お鏡餅を飾る場所に関しては「決まりはない」という意見もあり、上記は、参考例と考えていただければよいかと思います。
お鏡餅はいつ飾る?
「お鏡餅は正月までに飾れば良い」と考えていましたが、お鏡餅を飾る時期(いつからいつまで)に関しては決まりがあるようです。
お鏡餅はいつまでに飾る?
29日は苦餅(苦持ち)、二重苦に通じ、31日は葬儀と同じ一夜飾りに通じて縁起が悪いからです。 従って、12月28日までに飾るか、遅くとも30日に飾りつけます。
母親がお鏡餅が足りないというので、年末にスーパーに買いに走り、12月31日に飾りつけを行い「やれやれ」と思っていましたが、とんでもない間違いをやらかしたようです。
ただ、12月31日しか飾る日が無かった場合はどうするのでしょうか?
29日も二重苦に通じ、縁起が悪いということですが、肉業界では「29=肉」と肉の普及に力をいれています。
もっとも、実家では、お鏡餅を3つ飾りましたが、31日飾ったのはその内の1つです。 この場合はどうなるのでしょうか?
一夜飾り対策
「一夜飾り」が良くないとされる理由は以下の3点です。
①神様に失礼
②葬儀の一夜飾りに通じて縁起が悪い
③「年神様」が来られるのは 12月31日の早朝なので、これに間に合わない
では、どうしても31日にしかお鏡餅を飾れない場合はどうすればよいのでしょうか?
対策は2つです。
①正月に飾る
②31日に飾る
②の「31日に飾る」は、縁起を気にしない人向けです。
物事は考えようです。 先に「29日」のことに触れました。 「29日」を「二重苦」と考えるか「肉の日」と考えるかは自由です。
大みそかにお鏡餅を飾る「一夜飾り」は良くないとされ、3つの理由が考えられていますが、実際のところは分かりません。
さらに、浄土真宗では、「日の吉凶にまどわされないこと」という教義がある為、あえて一夜飾りで鏡餅をお供えするとも言います。
通常、あえて良くないとされる31日に鏡餅を飾ることはないと思いますが、どうしてもその日しかなかった場合、飾らざるを得ません。
縁起を気にしない方は31日に飾りましょう。
そうはいったものの、少し気になると言う方は、盛り塩を置く方法があります。 縁起が気になる方は、元旦に飾りましょう。
お鏡餅はいつから飾る?
お鏡餅はいつまでに飾ればよいかという話でした。
お鏡餅は12月28日までに飾るのが無難です。 ※但し、大掃除後が理想です。28日までに間に合わなければ、12月29日と31日は避ける=12月30日に飾るのがオススメです。
では、いつから飾れば良いのでしょうか?
お正月の縁起物は、年末に飾るというイメージがありますが、お鏡餅に関わらず、しめ飾りなどのお正月飾りは、松の内(12月13日)以降に飾るのが一般的な風習です。
但し、基本的に大掃除の後に飾るのが良いので、ベストなタイミングは12月28日と言われています。
お鏡餅の鏡開きはいつ?
お鏡餅は、1月11日に鏡開きをして、おしるこやぜんざいなどにしていただくのが一般的です。
昔ながらの餅を使ったお鏡餅は包丁等で「切る=切腹等に通じる」のではなく、木槌や麺棒などで叩いて割るのが基本です。
近年は、お鏡餅の丸いお餅をかたどったプラスチック容器に小餅が入っているので、この心配はありませんが。
取り外した飾りつけは、1月15日に神社で行われる「どんど焼き」で焼きます。
但し、近所に神社がない、行く暇がないと言う方は、自宅で処分も可です。
ただ、そのままゴミ袋に入れて捨てるのではなく、紙に丁寧に包んでから捨てるのが無難です。